MISSION 25 第7戦に向けて事前タイヤテスト


さてTS-550タイヤレギュレーションのおさらいです。

このレースが始まった当時のタイヤ条項は、「10インチのみスリックタイヤの使用を認める。13インチ以上のタイヤの使用は一切不可とする。」となっていました。

JA1トゥデイの純正タイヤサイズは、一番グレードの低いモデルで12インチ。メーカーはこのタイヤサイズを前提にブレーキローターサイズを決定していますので、10インチのスリックタイヤは装着できません。で、必然的に12インチのSタイヤ装着となるわけです。

ところが1年前のレギュレーション変更(2004年11月28日の筑波戦から)で、「14インチ以上のタイヤの使用は一切不可とする。12インチの場合はSタイヤの使用を認める。10インチの場合は、スリックタイヤの使用を認める。」と改定。13インチタイヤの使用がOKになったのですが、普通のハイグリップタイヤまでということ。

こりゃあなんとも微妙な選択肢。12インチのSタイヤと13インチのハイグリップラジアルは、筑波サーキットだとどちらが速いのでしょうか?

通常なら迷わずSタイヤとなりますが、問題は軽自動車による筑波サーキットアタック。ウチのトゥデイの場合、2つのヘアピンのみ3速であとは4速しか使いません。しかも最終コーナー入口は4速8,000回転のまま全開で進入。コーナー途中の抵抗で7,500回転まで落ちますが、ホームストレートでじわじわと回転を上げて1コーナー手前で8,200回転をマークします。


レッドゾーンは8,300回転から

JA1トゥデイのE05A PGM-FIエンジンのレッドゾーンは8,300回転からで、最高出力の42馬力を8,000回転で発生します(最大トルクは4.6kg-m/4,500回転)。ちなみにレブリミッターは8,500回転付近。

一番タイムを削れる区間で頭打ちギリギリの回転数を使用しているわけです。レース用にチューニングされた高回転エンジンならこれがベストですが、ウチのトゥデイは吊るしのノーマルエンジン。8,000回転付近ではトルクがかなり落ち込んでいると思われます。

外径の大きな13インチタイヤ(解説�@)を使ってもう少し低い回転域を使えれば、トルクで車速が伸びるかもしれません。ギヤ比的にヘアピンの立ち上がりは苦しく(解説�A)なりますが、4速全開区間で車速を稼げればタイムアップ間違いなし!

仮に車速60km/hで走行する短い区間が58km/hに落ちても、100km/hで走行する長い区間が102km/hになればトータルは速いはずって考えですね。

そして選んだタイヤは、恐らく13インチ最強と思われるYHアドバンネオバAD07の165/60R13。早速、筑波サーキットで比較テストです。


筑波サーキット

2005.12.2 筑波サーキット 天候: 曇り
気温: 9.5℃ 路面温度: 11.8℃
  1本目 14:00〜14:30 (A048)
2本目 15:30〜16:00 (AD07)

テスト当日は気温9.5℃、路面温度11.8℃で曇り。Sタイヤがミディアムコンパウンドなのでもう少し路面温度が上昇して欲しいところですが、まずまずのコンディションでしょう。


気温


路面温度

まずは従来のSタイヤ、YHアドバンA048の165/55R12でトライです。2つのヘアピンでは3速6,000回転。バックストレートエンドは4速8,000回転で125km/hをマークし、最終コーナー旋回中の最低速度は120km/h。1コーナー手前はレブリミットぎりぎりの8,200回転です。

コンスタントに23秒台後半をマークし、ベストタイムは1'23.274。


YHアドバンA048 165/55R12 (リアはBS V'GRIDの同サイズ)

で、次はネオバAD07の165/60R13でトライです。なるべく条件を揃えるために、1回目の走行(44km)で消費したと思われる量のガソリンを5リッター給油(トゥデイはサーキットでもリッター10km)。

空気圧はデータがないので、ポテンザRE-01Rのデータを参考に(解説�B)設定します。RE-01Rのサーキットでのメーカー推奨空気圧は温間で2.4kgf/cm2。これをベースに路面温度、左右の負担差を考慮しながら内圧上昇を想定し、サイド剛性の違い(解説�C)とFF用の補正を加味し、冷間での空気圧を決定しました。

冷間での空気圧は、FL: 2.1kgf/cm2、FR: 2.2kgf/cm2、RL: 2.4kgf/cm2、RR: 2.5kgf/cm2。走行後、このセットで左右均等、リアが若干高めになるはず。


YHネオバAD07 165/60R13

ところで12インチと13インチでは外径が異なるためスピードメーターでの単純速度比較ができません。

165/55R12のタイヤ外径は、2.54cm×12+16.5cm×55%×2≒48.6cm
165/60R13のタイヤ外径は、2.54cm×13+16.5cm×60%×2≒52.8cm

外径で4.2cmも違うんです。逆算すると、165/55R12の120km/hは、165/60R13の110km/h。要するに最終コーナー旋回中の最低速度が110km/hを超えていれば、165/60R13の方がスピードが乗っているということになります。

そして比較テスト開始。1コーナー手前は4速7,000回転、2つのヘアピンは3速5,200回転、立ち上がりでかなりモタつきます。

バックストレートエンドは7,200回転で115km/h。最終コーナー旋回中の最低速度は110km/hでした。

最終コーナーの旋回速度は12インチSタイヤも13インチネオバも一緒(涙)。

コンスタントタイムは24秒前半で、ベストタイムが1'23.444。


テスト走行中

ヘアピンの立ち上がりでモタつく分、13インチネオバの方が遅いみたいです。ストレート後半の伸びは若干いいのですが、筑波のストレートの長さではヘアピン立ち上がりのモタつきを取り戻すまでには至りませんでした。

コンスタントタイムが落ちているのはブレーキングの違い。軽量な軽自動車のせいか高速コーナーの旋回性はほとんど変わりませんが、12インチSタイヤが楽に減速できるのに対し、13インチネオバはロック寸前のコントロールがシビア。

横方向には強いけど、縦方向に弱いみたいです(もちろん並みのラジアルよりは全然上ですが)。

ただし、空気圧を変えてのテストをしていませんので、今回のセットが正しいかどうかは分かりません。

走行後の空気圧は、FL/FRが2.5kgf/cm2、RL/RRが2.7kgf/cm2で、左右前後の上昇具合はドンピシャでした。

結論として、ヘアピン立ち上がりのモタツキが改善されれば13インチの方が優位だと思います。13インチを履いてバックストレートエンドであと500回転上げるにはLSD?エンジンパワー?


1コーナーのロール

ところで新しいインチキ足回りですが、公道では程よくシャキッとしてて好感触だったのですが、サーキットでは伸び側の抑えが足りないことが判明しました。

タイムはベストの0.8秒落ち。今回はドライバーの軽量化やブレーキのグレードアップなど、タイムアップの秘策が満載だったんですが...。う〜む。

来週のレースは12インチSタイヤのA048に決定です。

結果はこちら

[解説�@:外径の大きな13インチタイヤ]
大きなホイールに交換することをインチアップと呼びますが、一般車ではサイドウォールの薄い低扁平タイヤに交換し、タイヤ外径を変えずにホイール外径(タイヤ内径)だけ大きくすることの俗称です。レースカーにおける大きなタイヤとはタイヤの外径アップのこと。本来は外周を大きくして磨耗を少なくするための手法です。


[解説�A:ヘアピンの立ち上がりは苦しく]
ウチのトゥデイの場合、ヘアピンは3速6,000回転くらい。2速はレブリミットに入ってしまうため使えません。タイヤ径を大きくするとギア比も高くなるので、立ち上がりでの回転数が下がり、加速が鈍ります。コースのどこにギア比(ギア比が変更できない場合はタイヤサイズ)を合わせるかがタイム更新の肝となります。


[解説�B:ポテンザRE-01Rのデータを参考に]
ネオバAD07のライバルはポテンザRE-01R。同クラスのタイヤデータを目安にしようという作戦。自分が参戦しているロードスターパーティレースの指定タイヤなので、ある程度のデータを持ってます。


[解説�C:サイド剛性の違い]
タイヤのサイド剛性が低い場合、空気圧を高めに調整してヨレを減らします。AD07は剛性が高いと噂のRE-01Rに比べて若干低いようですので、温間での空気圧をRE-01Rよりチョット高めに想定。サイド剛性はタイヤを組んだ人に感触を聞くのが一番ですよ。




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