STEP 33 練習15回目 〜タイヤの表面温度B〜

Release Date: 2007/08/26

■2007.8.26

今回からは新たな試みとしてタイヤ表面温度のデータ採りを行います。「そこまでやるの?」って言われそうですが、いかにもレースに取り組んでいるようでカッコいいじゃないですか。(笑)

車両は先週の走行からエンジンオイルを交換しただけの状態です。前回の練習はスプラッシュシールドの効果確認のための走行でしたが、それにしてもタイムが良くありません。失敗したと思われる空気圧設定の確認も兼ねて、タイヤもガソリン量も同じ条件で走行します。

走行距離: 11,800km (累計554周)
エンジンオイル: Red Line 5W-30 (新品)
ミッションオイル: Red Line MT-90 (75W-90) (累計118周)
デフオイル: WAKO'S 5120LSD (80W-120) (累計118周)
ブレーキフルード: WAKO'S DOT4 (エア抜きのみ)
ブレーキパッドF: エンドレス@ (累計200周)
ブレーキパッドR: エンドレス@ (累計200周)
タイヤL: @R105周→L172周→逆R20周→L99周→R38周→逆L39周 (累計473周)
タイヤR: AR99周→L119周→逆R39周 (累計257周)

サーキットに到着するとパドックは満員御礼。ピットどころか駐車スペースも確保できません。


満員御礼のパドック

しかし日曜日なのでこうなることは予想済み。テント持参で用意万端です。運良くコースアウトゲートから一番近いところを確保。走行後すぐに駐車できるので、この場所の方が通常のパドックより正確なデータを採れそうです。


今回のベースキャンプ

車両は片側のタイヤだけに日差しが当たらないよう、日差しと同じ方向に駐車します。テントは車両用じゃなくドライバーの冷却用。(笑)

そして今回からの変更点。気温・路面温度とも自前の計測器で測定します。気温の測定はマルチメーター。路面から50cmくらいの高さにプローブを固定します。


気温の測定

マルチメーターでの測定は時間がかかりますが、気温なら放置プレイで問題なし。


気温

路面温度の測定はサーモメーター。サーキット側が発表する路面温度は走行の30分〜1時間前なので走行後じゃないと確認できません。自前の計測なら走行直前に確認OK。測定場所がコース上からパドックに変わってしまいますが、走行前に確認できる方がいいに決まってますね。


路面温度の測定


■1本目(12:30〜13:00)

気温も路面温度も先週とほぼ同じですが、走り出しから1〜2秒もいいペースです。タイヤの空気圧を先週より冷間で0.1kg/cm2上げましたが、その差がこんなに出るとは思えません。もしかすると大気圧が大きく違っていたのでしょうか? 今後は気圧のデータ採りも必要かも。

しかし、先週は何ともなかったタイヤのタレですが、後半になって左フロントタイヤがズルズルでアンダーステアが発生。これは空気圧の設定変更の影響と思われます。

そして終了5分前にアタックラップのままピットロードへ進入し、クールダウンラップなしで温度測定を行います。


1本目

非接触タイプの温度計は測定がラクチン。タイヤ4本で計8個所の測定をしても約1分です。


タイヤ温度の測定

RE-01Rがどの程度の温度域で最高の性能を発揮するのか分かりませんので、今回測定した温度自体が良いのか悪いのかは判断できません。ただし、トレッドの内側と外側の温度差が少ないほど、タイヤと路面が均一に接地していることは間違いなし。

いい仕事をしているのは左リア(RL)タイヤだけ。左フロント(FL)の外側なんて論外です。この左フロントの異常な温度上昇はコースの特性だと思われますが、もしかするとヘタレドライバーのアンダーステアのせいかもしれません。

[コンディション]
天候: 晴れ
気温: 36.5℃
路面温度: 58℃

[走行データ]
周回数: 19
ベストタイム: 1'11.211(4周目)
油温: 122℃
水温: 95℃

[タイヤデータ]
[タイヤデータ]
  空気圧(kg/cm2 表面温度(℃)
冷間
(走行前)
温間
(走行後)
冷間内側 冷間外側 温間内側 温間外側
FL 1.9 2.5 42 44 82 94
FR 2.0 2.5 42 44 84 72
RL 2.0 2.5 40 43 82 81
RR 2.1 2.5 41 44 86 70

ドライバーのヘタレぶりはタイムにも現れています。昨年の8月末って今年より若干コンディションが良かったんですが、3回目の練習でマークしたタイムが1'11.184。一年間走ってきて進歩なし。実際、スポーツ枠を走行していたエンブレムクラスの方々は10秒台をマークしています。次戦も後方争い決定かも。(涙)


■2本目(14:30〜15:00)

1本目とほぼ同じコンディションですが、2本目はリアタイヤにタレが発生。実は1本目走行後のタイヤは自然冷却。1時間半の自然冷却では、1本目走行前の温度まで下がりませんでした。水をかけて強制冷却すべきだったかも。


2本目

しかも終了5分前を確認し、次の周で戻ろうと思ったらチェッカー振られました。(涙)

なので2本目のデータはクールダウンラップ後の測定です。フロントの温度が低いのはクールダウンラップで冷えたためでしょう。

リアの温度が1本目に近いことを考えると、クールダウンラップなしなら1本目と同じような結果になっていたと思われます。昨日の一般道でのテストでフロントが冷えやすいことを確認してなかったら、間違った結論を出すところでした。基本データって大事ですね。

[コンディション]
天候: 晴れ
気温: 35.8℃
路面温度: 59℃
[走行データ]
周回数: 20
ベストタイム: 1'11.389(5周目)
油温: 122℃
水温: 96℃

[タイヤデータ]
  空気圧(kg/cm2 表面温度(℃)
温間 [*]
(走行前)
冷間
(翌日)
冷間内側 冷間外側 温間内側 温間外側
FL 2.5 2.5 50 50 73 82
FR 2.5 2.5 53 55 78 68
RL 2.5 2.5 54 54 80 81
RR 2.5 2.5 57 56 84 68
 [*]1本目走行直後に調整

リアタイヤのタレによるオーバーステアは右コーナーだけでした。左リアの温度がクールダウンラップ後にもかかわらず1本目とほぼ同じってことは、走行中はさらに上昇していたと思われます。そこから想像すると、トレッド外側の温度が85℃あたりを超えるとタレを感じるのではないでしょうか?

今回のタイヤ表面温度測定で見えてきたことは、左リアのキャンバー設定がベストに近い状態であること。なのに左フロントと右リアのトレッド内側と外側で温度差が大きいってことは、フロントのロールを押さえる方向でリセッティングしないと自分の乗り方ではタイヤの性能を使いきれないってこと。認定部品に強化スタビライザーが欲しいところですね。

しかし現状でさらに上を目指すには、左フロントへの荷重のかけ方を変えるしかないようです。佐藤琢磨選手がセットアップしたSA07をアンソニー・デビットソン選手が乗るとオーバーステアで乗れないってことと同じで、ここから先は個人の感性の問題。


ヘタレドライバーのアンダーステア

ドライバーによって違った結果になると言うことは、あまり突っ込んでも書いても意味がないような気がしてきたので、タイヤ表面温度シリーズは早くも最終回です。データ採りは続けますので何か発見があったらレポートします。


■エンドレスパッドの耐久性(第6回)

筑波サーキットを238周(30分枠の練習を10本と2レースを消化)したところで、右フロントパッドもメーカーが交換を推奨する厚みまで磨耗が進行しました。

今回の
周回数
累計の
周回数
測定個所 走行前残量
(mm)
走行後残量
(mm)
磨耗量
(mm)
38 238 左フロント外側外周 10.0 9.0 1.0
左フロント外側内周 10.5 10.0 0.5
左フロント内側外周 10.5 9.5 1.0
左フロント内側内周 10.0 9.0 1.0
右フロント外側外周 11.0 10.5 0.5
右フロント外側内周 11.5 11.0 0.5
右フロント内側外周 11.0 10.0 1.0
右フロント内側内周 11.0 10.0 1.0

新品パッドの厚み: 15mm、推奨交換時期: 10mm

摩擦材の崩れも進行しています。しかも今回は停車後に煙が出てたし…。ってことでレースで使うには不安が残ります。フロントは新品に交換しました。


崩れが進行した左フロントパッド

ここでチョット発見。ウチの車両って左フロントホイールが若干引きずり気味だったんですが、ブレーキパッドを新品にしたら症状が解消しました。ピストンシールの劣化と考えてたんですが、原因はパッドの偏磨耗だったようです。

パッドの片減りが原因で、ピストンがパッドを均一に押せず、パッドとローターが部分的に触れたままになっていたと思われます。もしかして次回はストレートスピードが1km/hくらいアップするかもしれません。( ̄ー ̄)

次回の練習は9月1日(土)。ファミリー枠を1本だけ走行し、新品パッドの当たり付けと逆履きしていたタイヤを元に戻してクセの付け直し。レース本番へ向けた最後の調整です。

2007.9.14 追記

9月1日(土)の走行は、気象庁に騙されて予約をキャンセルしました。



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