2006年4月16日、夜半から降り出した雨が路面を濡らしていました。参加受付の時間になってもどんよりとした空と霧状の小雨。天気予報は午後から曇りとなっていますが、山間を流れる雲の様子を見るかぎり、天候は回復しそうにありません。
予選はどう考えてもウェットコンディション。でもウチにとっては有利かも。なぜならTS-550のライバルたちはSタイヤのA048、ウチはラジアルタイヤのネオバです。ウェットならネオバの方が排水性が高いはず。
今回のレースは予選が25分間、決勝が120分の耐久です。従来の筑波戦のように60分耐久ならドライバー2名の1ストップ作戦で1人30分。筑波なら2本のストレートで一息つくことができるので丁度良い配分です。
ところがここヒーローしのいサーキットは一息つけるようなストレートがありません。ピットストップのロスタイムをケチってドライバー2名の1ストップ作戦を採ると1人で60分間もテクニカルコースと格闘しなくてはなりません。しかもトゥデイは重ステ。おっさん達には絶対無理。
で、ドライバー3名の2ストップ作戦に決定です。予選とスタートドライバーを自分、2スティント目をおぬま2号、最終スティントをくらもちさんというオーダーです。それでも1人40分。おっさん達は体力的にギリギリかな?(笑)
さて出走クラスとエントリーリストはと言うと...。
TS-550クラスは4ナンバーのJW1&JW2、5ナンバーのJA1と違いはあるもののエントリー6台全車がトゥデイ。混走となる660クラスは前回のレースで猛威を振るったオープンクラスのターボ勢がエントリーしていません。ターボ車で120分無給油は燃費的に完走できないと判断したのか、全車ストッククラスのNA車両です。こっちも6台がエントリーしていますが、半数の3台がJA2トゥデイという状況。
結果TS-550クラスと660ストッククラスで12台中9台がトゥデイです。もうトゥデイワンメイクレースと呼んでも支障ないのでは? こんなレースがあるなんてホンダさんも知らないだろうなぁ。(笑)
ではそのトゥデイ達を紹介しましょう!
まずは660ストッククラス。みなさん綺麗に作り込んでます。
16号車 BORレーシング 1992年式 JA2トゥデイ

22号車 フリーウェイレーシング 1990年式 JA2トゥデイ

33号車 フリーウェイレーシング 1992年式 JA2トゥデイ

次はウチの25号車も参戦するTS-550クラス。なんか殆どの車両が買ってきた状態でレースカーに見えません。(笑)
1号車 ワンハウス 1988年式 JW2トゥデイ
前戦でエンジンブローした車両を廃車。部品取り車として売りに出ていた車両を¥15,000で購入し、部品のみを移植してきました。今回のスタートドライバーは、管理人にとってTS-550最大のライバル、しのいマイスターあさの氏。

3号車 VENT PLUS 1987年式 JW1トゥデイ
ホントは勝負にならないハズの初期型の丸目トゥデイ。ところがこの3号車は平坦なミニサーキットだと意外な(失礼)速さを発揮します。侮れない1台です。

11号車 チームJW1 1988年式 JW1トゥデイ
この車両も初期型の丸目トゥデイ。TS-550は初参戦。とても18年前の車両には見えません。

25号車 Project One レーシング 1988年式 JA1トゥデイ
はい、ウチの車両です。MDコンポ、エアコン付きの通勤車両。TS-550最多勝利を誇る自称Nゼロレースカー。購入価格は¥20,000。

40号車 AS柳本ジーマオIDI 1989年式 JW2トゥデイ
そのエントリー名から正体バレバレですが、某老舗のワンメイクレースで活躍する現役ドライバーを配した反則ドライバーチーム。しかもそのうちの2名は公式戦シリーズチャンピオン経験者。 でもドライバー4名の3ストップ作戦。その余裕は何ですか? ちなみに購入価格は¥40,000です。

85号車 レーシングサービス ススム 1988年式 JW2トゥデイ
TS-550初参戦の85号車。お話できなかったので素性が分かりません。ポテンシャル不明の謎のチームです。

雨は上がりましたが路面はフルウェット。今回の予選は25分もあるので前半を自分が乗ってタイム出し。後半はレース経験の少ないおぬま2号の練習に決定です。
コースインするとなぜかエンジン絶好調。事前練習では3速でレッドギリギリだったダンスシケイン先でレブリミッターに当たってしまいます。上り坂でのギア比を考慮して選んだ13インチは、エンジン絶好調のおかげで完全に裏目。上り坂の途中でレッドゾーンまで吹け上がり、4速へのシフトアップが必要です。上り坂の途中で4速に入れると失速しまうので、仕方なくヘアピン立ち上がりで早目に3速へシフトアップして頂上で吹けきるようにコントロール。
と、色々試していると開始3分くらい経過したところで赤旗中断。モチベーションを削がれましたが気を取り直してアタック再開。
しかし大問題発生。ヘアピン立ち上がりでアクセルを踏むと2速が抜けてしまいます。でもラジアルタイヤのせいかウェット路面でもそこそこグリップするし、クリアは取れたし、納得できる走りはできたし、これ以上攻めて刺さったりしたらマズイので実質4周のアタックでドライバー交代です。
タイムを聞くとここまでのトップ。このまま行けば総合でもポールポジションを獲得です。
ところが残り10分で大誤算。路面が乾いてきてしまいました。こうなると各車タイム更新は確実。後方に埋もれるのも時間の問題でしょう。
「誰もタイム更新しないでぇ〜」と祈っていると、「パパパパパンッ!」とレブリミッターを効かせながら濡れたシケインを全開で抜けてくる車両が1台。40号車をドライブする山梨のY御大です。路面が乾き始めてるとは言え、これには脱帽です。案の定、僅かにタイム更新。これがレース一筋○○年の成せる技なんでしょうね。
予選後の一言。「やっとどっちに曲がるか覚えた。」 そう言えばYさんここ初めてでしたね...。
後半路面が乾いてきたところで各車タイム更新。でもウェットコンディションのタイムで4位は大満足です。(自画自賛)
| 総合 順位 |
車番 | クラス 区分 |
クラス 順位 |
型式 | 年式 | 車 名 | ベスト タイム |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 16 | 660-ST | 1 | JA2 | 1992 | BORレーシング トゥデイ | 58.787 |
| 2 | 40 | TS-550 | 1 | JW2 | 1989 | AS柳本ジーマオIDIトゥデイ | 1'00.068 |
| 3 | 22 | 660-ST | 2 | JA2 | 1990 | フリーウェイレーシング トゥデイ | 1'00.216 |
| 4 | 25 | TS-550 | 2 | JA1 | 1988 | Project One レーシング トゥデイ | 1'00.263 |
| 5 | 33 | 660-ST | 3 | JA2 | 1992 | フリーウェイレーシング トゥデイ | 1'00.974 |
| 6 | 1 | TS-550 | 3 | JW2 | 1988 | ワンハウス トゥデイ | 1'01.283 |
| 7 | 5 | 660-ST | 4 | L200 | 1992 | フリーウェイレーシング ミラ | 1'02.999 |
| 8 | 6 | 660-ST | 5 | AA6PA | 1991 | フリーウェイレーシング キャロル | 1'03.734 |
| 9 | 12 | 660-ST | 6 | CN21 | 1994 | フリーウェイレーシング アルト | 1'04.017 |
| 10 | 85 | TS-550 | 4 | JW2 | 1988 | レーシングサービス ススム トゥデイ | 1'05.323 |
| 11 | 3 | TS-550 | 5 | JW1 | 1987 | VENT PLUS トゥデイ | 1'07.476 |
| 12 | 11 | TS-550 | 6 | JW1 | 1988 | チームJW1 トゥデイ | 1'16.621 |
上位6台の詳細タイムチャートはこちら。
TS-550の予選結果は、クラスポールが4万円の40号車、2位が2万円の25号車、3位が1万5千円の1号車とキレイに価格順。(笑)
決勝までは5時間の待ち時間。昼寝です。
5時間のインターバルで天候はすっかり回復。完全なドライコンディションです。TS-550クラスポールの40号車は3ストップ作戦なので気にしなくて大丈夫。1号車さえ抑え切れればクラス優勝です。仮に1号車に先行されても2位表彰台。気楽に行きましょう。なんてスタッフと言葉を交わし出走準備。しかし...。
決勝前
決勝のスターティンググリッドは2列目4番手。偶然ですが上位6台は奇数グリッドが660ストッククラス、偶数グリッドがTS-550で揃いました。
スターティンググリッド
奇数グリッドは見るからにレースカーですが、偶数グリッドに並ぶのは手抜きの黒トゥデイ軍団。怪しいです。(笑)
スターティンググリッド
自分は2列目アウト側(しのいは左回りなのでピット側がアウト側です)、3列目アウト側はチームスタッフに要らん事を伝言させ、心理戦を仕掛けてくる1号車あさの氏。オープンフェイスヘルメットが素敵です。
心理戦が飛び交う2列目と3列目
TS-550ポールの40号車は、スターティングドライバーにトゥデイ初ドライブのW氏。いくら公式戦のチャンピオン経験者でもトゥデイなら自分に歩があるはず。「何回転位でミートすればいいの?」って...。正直に教えました。
もうすぐスタートです。
そしてフォーメーションラップの後、シグナルグリーン(しのいはレッド消灯じゃありません)で全車猛ダッシュ!
1号車に仕掛けられた心理戦のせいでロケットスタートは不発。普通のスタートになっちまいました。33号車に先行されて5番手で1コーナーへ。ポールだった16号車はスタート大失敗。
スタート後の1コーナー
続く1ヘアピンでは16号車が姿勢を乱し大渋滞。これに乗じて16号車と33号車の2台をパスし3番手。
1ヘアピン立ち上がりの4位集団
1周目のオーダーは、22号車、40号車、25号車、1号車の順。ここからは3台の黒トゥデイによるクリーンな2位争い。「こっち来ないで〜」 「オラオラオラ〜」 アイコンタクトなんだか、ガンを飛ばし合ってんだか。
ガンの飛ばし合い?(笑)
そして2周目、2ヘアピンで40号車をパスして総合2番手に浮上です。
3台の黒トゥデイによる2位争い
しかしこの頃から立ち上がりで2速が抜けるトラブルが悪化。2つのヘアピンではシフトレバーを押さえてないと加速できません。3周目、同じように40号車をパスしてきた1号車が背後に迫ります。
さらに続く2位争い
そして40号車が遅れ始め、25号車と1号車の2台による壮絶なバトルは30分も続くことに。
壮絶バトル
1コーナーから1ヘアピンまでは1号車の方が速く、ダンスシケインの立ち上がりは25号車、しかし上り坂は1号車が迫ってきます。そして2ヘアピンで痛恨のギア抜けが発生、2ヘアピンは片手ハンドルでは曲がりきれず、どうしても両手を使わなくてはなりません。シフトレバーから手を離したところで2速が「ポンッ」、加速せず1号車が前に。追いつけない...。(涙)
やられました
ところがです。親切な1号車は1ヘアピンでハーフスピン。待っててくれるじゃないですか。しかも先行を許してくれるし。で、バトル再開。

逃げる。

ひたすら逃げる。

とにかく逃げる。

この模様はこちらのムービーでお楽しみください。
(ムービー提供: しのいマイスター1号車あさの氏)
しかし問題の2ヘアピンでギア抜けが発生。またしても先行を許してしましました。その後は必死の追走もかなわず単独走行に。1号車速すぎ。
そして40分が経過し、セカンドスティントを担当するおぬま2号にドライバーチェンジです。自分はもうヘトヘト。2速へ入れたシフトレバーを手で抑えた状態の片手運転のおかげで、車を降りたあと背中の左側が痛くて体が回らずチェアーでぐったりです。
10分くらいが経ったでしょうか?
ライバルチームから呼ばれ、「鈴木さん!25号車が1ヘアピンで横転してるって!」
「何ですとーっ!」
1ヘアピンの観客席にいる方にドライバーの無事を確認してもらい一安心。
窓から上半身を出してオフィシャルに無事を伝えるドライバー
1コーナーで姿勢を乱し、1ヘアピン外側のダートに落ちてコースに戻ったところでハイサイドを起こし1回転半。トップ争い中にドライバー交代したもんでプレッシャーがあったんでしょうかねぇ。
牽引される25号車
パドックに戻ってきた25号車の無残な姿...。修理は無理そうです。遭えなくTS-550プロジェクト終了です。
あ〜あ(笑)
ドライバーが無傷で生還したのが何よりでした。このスポーツに臨むに当たって、このような状況は覚悟していましたが、今回は単なるラッキーだったと思います。皆さんロールケージは装着しましょうね。
手頃な車両が見つかったらまた参戦するかもしれませんが、ひとまず終幕です。今までお手伝いくださった皆さま、応援くださった皆さま、遊んでくださったライバルエントラントの皆さま、今回沢山の画像を提供くださった皆さま、この場を借りましてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
第15回K&K 筑波サーキット 10周スプリントレース
予選2位、決勝2位
第16回K&K 筑波サーキット 50分耐久レース
予選1位、決勝1位
第17回K&K 日光サーキット 15周スプリントレース
予選1位、決勝1位
第18回K&K ヒーローしのいサーキット 10周×2 2ヒートスプリントレース
予選3位、決勝2位
第19回K&K 筑波サーキット 10周スプリントレース
予選2位、決勝3位
第21回K&K 筑波サーキット 60分耐久レース
予選1位、決勝1位
第22回K&K ヒーローしのいサーキット 120分耐久レース
予選2位、決勝リタイヤ
出走台数を書かないとスゴイ戦績ですね。(笑)

| 開催年度 | 2003年〜2008年? |
| レース車両 | 550ccの自然吸気エンジンを搭載した軽自動車 |
| レース規定 | K&K事務局発行のレギュレーションに準じた草レース |
| 開催地 | 筑波サーキット・日光サーキット、ヒーローしのいサーキット |
| 特記事項 | 2008年2月の大会以降は未開催。継続断念のアナウンスはありませんが自然消滅の模様。 |
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