9月から開催されるNEW ROADSTER Party Race参戦に向けて速攻で発注したNCロードスター。4月末に納車されて一ヶ月で3,000キロを走破しました。
NCロードスター
NR-A
経験上Nゼロカーの場合、レース前に最低5,000kmくらい走破しておかないと、最高速が伸びず勝負になりません。理想はレスポンスが良くなってくる8,000kmを超えたあたりで開幕戦に臨むこと。
こりゃあ9月までにはラクショーで8,000kmだなと思っていた5月末。レースでお世話になっているラルグ千波の社長から1本の電話が…。
「鈴○さん、9月までレースの予定ないんだって? うちのヴィッツで東北シリーズやりなよ?」
今シーズンのラルグ千波は、インテグラ関東シリーズに参戦中のベテラン山○氏を起用してヴィッツ関東シリーズを戦っています。カーNo.は555。しかし走行距離1,000kmで臨んだ5月の開幕戦富士は山○氏をもってしてもノーポイントの惨敗。
年末に行われる各シリーズの上位を集めたチャンピオン戦に出場するにはポイントの取りこぼしはチトまずい。じゃあ車両はあるんだし、関東シリーズをコケたときの保険として東北シリーズも参戦しておこうと。で、今シーズン前半をヒマそーにしてる自分に声がかかったって訳。
「いや、俺じゃ無理。」と心の声が言うのですが、口から出てきた返事は「いいっすねぇ、やらせてください。」オイシイ話を前に後先考えず即決でした。
後日よーく話を聞いてみるともう1台発注したそうで、こちらは新人○○氏で関東・東北の両シリーズを戦うらしい。カーNo.は556。最終目標は来シーズンのチャンピオン戦に2台とも残ること。Netz Cupアルテッツァシリーズが今シーズンで終了だから、F1日本GPのサポートレースはヴィッツのチャンピオン戦じゃないかという噂を信じてのチャレンジです。
東北シリーズの開幕戦菅生は7月22〜23日。スーパーGT第5戦のサポートレースです。それまでにできるだけ距離を稼いでおきたいところ。まずは車両に慣れることも兼ねて、関東シリーズ第2戦もてぎと第3戦富士のインターバルに555号車を借用します。
ところで、その第2戦もてぎ。予選8番手だった555号車は雨中の大バトルで3位表彰台を獲得。車両的には言い訳のできない状況に追い込まれてしまいました。(笑)
第2戦もてぎを終えて受け取ったヴィッツ。グレードはヴィッツRS TRDレーシング。
1500ccのDOHCエンジンを搭載し、最高出力は6,000回転で110ps、車両重量は1090kg、6点式ロールケージ、4点式シートベルト、ダンパー減衰力調整機能付き強化サスペンションキット(純正形状)、機械式LSD、強化クラッチカバー、メタルディスクを組み込んだ状態で販売されているヴィッツレース用のコンプリートカーです。
ヴィッツRS
TRDレーシング
エアクリーナー、マフラー、プラグは指定部品のみ。性能に影響を与える部品で自由に変更できるのは、アルミホイール(15インチ7JJ/オフセット48のワンサイズのみ)、タイヤ(195/55-15のワンサイズのみ、Sタイヤを除く)、シート、ブレーキパッド、ラジエターキャップ、サーモスタット、オイルくらいです。エンジンはTRDによって封印という徹底ぶり。
ヘッド側の封印
腰下側の封印
で、慣らしのメニューですが、自分の通勤距離は往復で60km。これに毎日100kmの遠回りをプラスして、休日は400kmくらいのロングドライブ。10日間で2,000kmを走破して返却です。(ばか?)
エンジンはレブまで軽く吹け切るし、リッター18kmも走ります。でも...。
自分は身長165cmの典型的な日本人体系ですが、ペダルを基準にシートポジションを合わせるとステアリング上部に手が届きません。ステアリングを基準にシートポジションを合わせると足の自由がききません。なんかシートポジションの基準がオバちゃんの買い物車。
で、乗り心地。バケットシートに座布団を2枚敷いていますが、1時間でお尻が悲鳴を上げます。デザインは賛否両論でしょうが、某おぬま氏に「かなぶん」と言われました。(笑)
不満は沢山ありますが、これだけの装備の車が消費税込みで¥2,263,800は安いと思います。と、さりげなくフォロー。
そして迎えた関東シリーズ第3戦富士。社長と自分の手で6,000kmに達した555号車は走行距離数だけは万全。556号車は納車したばかりなのでまだ1,000km。こちらは期待薄。でも同じカラーリングで2台体制はいい感じです。
2台体制
今回ドライバーラインナップに変更がありました。555号車は引き続き山○氏のドライブですが、556号車に乗るハズだった○○氏が資金不足から参戦を断念。代わってメカニック吉○氏のドライブです。金曜日の占有走行枠から練習していますが、久々のレース、初富士、初ヴィッツ、アタリの出ていない重いエンジン。ちょっと条件厳しいかも。
予選コースイン
予選はドライ。出走35台中555号車が10番手、556号車が34番手。山○氏は第2戦もてぎの再現とばかりに決勝は雨を望んでます。この位置からでも勝つつもりで走るんですから頭が下がります。
山○氏は同日開催のインテグラ関東シリーズにもエントリー。こちらは当然のようにポールポジション! これが本来の実力。
インテグラはポールポジション
決勝は山○氏の願いが通じたのか雨。期待が高まります。しかし34番グリッドの556号車には問題発生。ヴィッツは背が高いので、この位置からだとスタートシグナルが前車に隠れて見えないとか。スタートはチョット出遅れ。
34番グリッドの556号車
抜群のスタートを決めた555号車は鬼のようなブレーキングで抜きまくり4位でフィニッシュ。556号車も7台抜きで27位フィニッシュ。チーム的には上出来。
スタート!
1コーナー進入
で、気を良くした山○氏。555号車で東北シリーズにもエントリーを決定。自分は556号車でのエントリーとなりました。ってことは556号車の慣らしも自分。(涙)
そして受け取った556号車。距離計に表示された数字は1,300km。本番までの一ヶ月で5,000kmを達成するには最低でも3,700kmの走行が必要です。
見かけは555号車と同じ
慣らしの基本メニューは555号車と同じです。とにかく毎日遠回りをして通勤。土日はロングドライブ。
と、順調に4,000キロを超えた頃、社長が失効したAライを取り直すために556号車を使うとかで一時返却。次期ドライバー候補の方とともに555号車&556号車で富士のサーキットトライアルへ。
そして戻ってきた556号車に乗り込むと、小気味よく軽快だったマフラーの音が少し低くなっていて、4,000〜5,000回転に谷があり、6,000回転から上がなんとなく重い。でも4,000回転以下はトルクもレスポンスも絶好調。んじゃ気のせいかな?と思って3速レブリミットまで引っ張れる長い登り勾配で全開にすると、同じポイントの到達速度が以前より10km/hも低い。何で? メカニックに伝えても半信半疑。どうしましょ?
555号車で2,000km、556号車で3,000km走行し、ヴィッツには慣れましたがイキナリの本番はツライので事前に筑波で練習です。
筑波サーキット
旧型ヴィッツの予選タイムは1分15秒台。新型ヴィッツが今シーズンのレースで旧型ヴィッツによるコースレコードを更新していることを考えると、このタイムが出ないようでは勝負になりません。
1本目はドライ。走り出して2周目に1分17秒台をマーク。ところがそのあとは何をやっても1分18秒台。バックストレートエンドでは130km/hしか出ません。おかげでダンロップ下も最終コーナーも全開で抜けられます。ポテンザRE-01Rを履いた新型ヴィッツの戦闘力がこの程度のハズはありません???
ストレートが伸びない
2本目はウェット。車の挙動は踏んでるかぎり安定しています。ベストはドライの4秒落ちで1分21秒台。
ドライとウェットの両方を経験できたことは良かったけど何かスッキリしません。まあ、本番でその原因がハッキリすることになるのですが...。
本番は5日後です。
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AM7:00のゲートオープンに合わせてスポーツランドSUGOに到着。雨です。しかもひどい濃霧。視界は200mもありません。走れるんでしょうか?
雨+濃霧
インテグラ東北に参戦する地元のFJドライバー前田氏にレースカーを貸し出した山○氏は、インテグラではメカニックとしてサポート、ヴィッツではドライバーという二足のわらじ。
ラルグ千波レーシングチームは、木曜日からサーキット入りしていたインテグラチームの隣にテントを設営。今回はメカニック2名が同行しているのでドライバーは楽チン。
パドック
するとインテグラのエンジン交換を始める山○氏。木曜の練習で前田氏が3速から2速へ全開でシフトアップ(ダウンじゃないですよ)。ブロックから足が出るほどのブローをブチかましたらしい。それにしてもスペアエンジンやエンジンクレーンまで積んでる山○氏のトラックって…。気合が違います。
朝からエンジン交換
あまりにもひどい雨と濃霧なので、午前中のスポーツ走行枠(有料)はパスして、午後のヴィッツ占有枠(無料で2本)のみ走行することに決定。
午前中のスポーツ走行枠を走っていたヴィッツのタイムは2分8秒〜12秒。自分的に安全に走れるターゲットタイムはこれの2秒落ちくらいでしょうか?
1回目の占有走行でコースインしてみると至るところに川、バックストレートなんて濃霧で先が見えないしハイドロまで発生。2周目は早めのブレーキングでコーナーをゆっくり回り、クリップ以降は全開で回ってみます。サインボードに示されたタイムは25秒。ダメダメです。
コースはフルウェット
「そういえばウェットの筑波は結構踏めたよな」とか考えながら旋回速度を上げて行った最終コーナー。「スパーン!」っとリアが流れ出してコントロール不能に。こうなったら4輪ロックで回した方が安全ってことでフルブレーキング! でもロックしません。ヴィッツって優秀なABS付いてるんですね。クルッと回らずに左リア→左フロントの順で最終コーナーイン側のガードレールにヒット。コース上に戻ったところでやっとストップ。
やっちまいました。(涙)
過信が招いた完全なミスです。予選も走らずに終了でしょうか?一瞬の空白のあと、気を取り直してピットロードへ向かいます。ラッキーなことにステアリングの曲がりや振動はありません。でもドアミラーは折れてるし、降りてから左サイドを見るのが恐怖です。
パドックに着いて車を降り、恐る恐る破損状況を確認すると…。
前後のバンパーに擦り傷と持ち上がり、リアバンパーに押されたテールランプにヒビ割れ、ドアミラーの破損(ポッキリ)、左フロントのホイールにガリ傷。まあ想像よりは軽傷。
ドアミラーが折れるほどヒットしたのに2枚のドアはドアノブに擦り傷が付いただけで奇跡的に無事でした。ひとまずメカさんに平謝り。
折れたドアミラー
そこへ場内アナウンス。
「ヴィッツクラス556号車の関係者の方はコントロールタワーまでお越しください。」
お叱りがあるのでしょうか?恐る恐る出頭すると…。
「ガードレールの破損状況を現場に行って確認しますので次のインターバル直前にもう一度来てください。」
弁償しろってことね。そして次のインターバルでマーシャルカーに押し込まれ最終コーナーへ。事故現場のガードレールは係員も「これだけ?」ってくらいの軽傷。支柱やブラケットの曲がりもなく、3段になった一番下の一枚だけの交換で工賃・税込み25,000円。振込みでいいそうです。
ちなみにそのときに頂いたスポーツランドSUGOの施設破損の料金表は、
摘 要 | 単価(¥) |
---|---|
ガードレール取替工A | 35,000 |
ガードレール取替工B | 25,000 |
袖レール取替 | 9,000 |
ブラケット取替工 | 2,000 |
支柱調整 | 7,000 |
支柱取替工 | 30,000 |
タイヤバリア取替工(m) | 5,000 |
コンベアベルト(m) | 15,000 |
クラッシュパッドカバー | 18,000 |
側溝(小) | 12,000 |
側溝(大) | 25,000 |
側溝蓋 | 4,000 |
と、こんな感じ。自分の場合は「ガードレール取替工B」のみ。激しく突っ込んで支柱+ガードレール3段×2なんてやらかすと30万円コースだそうです。皆さん気を付けましょうね。
で、問題は車両の方。折れたドアミラーとヒビの入ったテールランプでは車検に通りません。仕方なくTRDから購入。両方で32,000円。こちらは現金扱いのみ。
ここで言い訳ですが、1回目の占有走行は雨が得意な山○氏でも飛び出すほどの悪コンディション。555号車のフロントスポイラーとサイドスカートはグラベルの砂利でガリガリ。最終コーナーを曲がれずにアウト側に飛び出したとか。どんなスピードで進入したんでしょう?
2回目の占有走行は気分的には走りたくありませんが、予選も雨が予想されますのでドアミラーをガムテープで修復し、完走目標でコースイン。
やまない雨と最悪のコンディション
単独だと進入速度やペースが分からないので、ひたすら他車について行くだけの走行です。それでも先程の精神的ダメージからか最終コーナーが怖くて踏めません。ベストタイムは14秒台。予選は最後尾決定でしょう。
危ないです
2回目の走行を終えて17:00。予定では宿に入って前夜祭ですが555号車に問題発生。山○氏曰く、他車より回転が上がっていかない感じでストレートが伸びないとか。556号車とほぼ同じ症状です。
ここでTRDのスタッフから悲しい情報。ヴィッツのエンジンはレッドゾーンを守らないとロッカーアームが脱落し、バルブが閉じたままになるとか。
TRDスタッフ監修の元でメカニックがヘッドカバーを開けて動弁系を確認すると3個のロッカーアームが脱落。
正常な状態
脱落した状態
このアーム、嵌め込むだけで元に戻るのですが、バルブの頭に付いた直径5ミリ程度のシムまで脱落し、オイルラインを通って流れてしまうと最悪。
オイルパンまで落ちていれば問題は少ないそうですが、どこか途中に引っかかっていると、タイミングチェーンに噛んだりすることがあるようです。
状況は最悪コース。シムがありません。引っかかっているのかオイルパンまで落ちているのかはオイルパンを外すしか確認方法がありません。オイルパンを外すと運良く全数回収。555号車は事無きを得ました。
次は556号車。タコメーターのピークホールド機能で最高回転数を確認すると7,200回転。シフトアップ時は6,500回転あたりでレブリミッターが作動しますので、この回転数に達するのはシフトダウン時。
TRDのスタッフによると脱落するかどうか微妙な回転数らしい。でも症状が出てるので分解決定。やっとエンジン不調を信じてくれたメカニックによってヘッドカバーが外されると、2番の吸気側、1番と3番の排気側の計3個が脱落してました。
4バルブDOHCなので吸気側のバルブ1個が閉まっていた程度では低回転に影響はありません。むしろトルクが出る方向。初期型の4AGなんかはT-VISと呼ばれる可変吸気機構で、低回転では吸気側のポートを片方閉じていましたよね。
参考までに4AGのT-VIS
低回転は調子いいのに4,000回転から上の回転が鈍く、排気音が変だったのは排気側のバルブ2個が閉まっていたのが原因と思われます。
結局556号車もシムが見当たらずオイルパン外しコース。宿に着いたのは21:00過ぎでした。
公式車検を無事に済ませ、待機場所に車両を並べます。ブリーフィング、出走前点検とオンタイムで進行。あとはAM10:05の予選を待つばかりです。前日からの雨はやむことなく降り続き路面はフルウェット。しかも濃霧。気分は思いっきりブルーです。
そしてコースインの合図でピットロードを加速すると...。エンジンが別物です。俄然やる気が沸いてきました。アウトラップをゆっくり回って最終コーナーからアタック開始。昨日の2本目と同じ安全運転、しかも毎周速い車に譲っているのにラップペースは8秒台。
予選スタート
びっくりなのはシフトアップポイントが昨日より全然手前。バルブが全部開くと調子いいんですね。無理をしなくても他車とそんなに離れません。
しかし昨晩はビールを1本しか空けなかったため、クラッシュの後遺症が消毒できていないようです。自分的には調子よくても周りと比べると確実に遅いみたい。結果は28台中25番手で坂道発進決定です。
自分の仕事は午前中で終了。あとはパドックを散策。なんたってSUPER GTですから。
これがGTクオリティ(笑)
ところで期待の555号車は? 回転の上がらない症状が再発し21番手でした。メカニックは、またしてもヘッドカバー分解。今度はロッカーアームが1本破損してました。新品に交換しましたが、原因不明のままで決勝を迎えなければなりません。
556号車は最終ラップにベストが出ているのでトラブルはなさそうです。
3日目にしてやっと雨が上がりました。路面は濡れていましたが、朝一番で行われたSUPER GTのフリー走行ですっかり乾き、AM10:00からの決勝は完全なドライで迎えられそうです。
決勝日は曇り
予選後にヘッドを分解した555号車は再車検。ドライバーはブリーフィング。そのブリーフィングでエントラントからフライングに関する質問が。
硬い足を組んだ通常のレースカーでは起こらないことですが、Nゼロカーのように柔らか目の足を組んだ車両でサイドブレーキを引いたままクラッチをミートするとリアが沈み込みます。もてぎのオフィシャルは動いていなくてもこの沈み込みでフライングを取るそうで、菅生のオフィシャルはどうかという内容。
結論は現場の判断によるという曖昧な回答。ロケットスタートしか順位挽回のチャンスがない自分には死活問題。しかも25番グリッドは坂道発進。絶対に沈み込むって。
YES/NOの回答ができない菅生のオフィシャルって何?皆さん不満そう。こんな後味の悪いブリーフィングは初めてです。
で、スターティンググリッド。ダンロップアーチよりストレート寄りだったので急な坂ではありませんでした。でもサイドブレーキを下ろすとバックします。しかもスタートシグナルが前の車両の陰になってギリギリ。フォーメーションラップ後の再整列は、なるべく右側に寄せて止めないと見えそうにありません。
スターティンググリッド
そしてフォーメーションラップ開始。1周後に再びスターティンググリッドへ。ここで大ピンチです。前の車両も少し右側へ寄せて止めるじゃないですか!
スタートシグナルが見えません。パニックになっていると左前方の車両がスタート!
「えっ!?もう?」と自分も慌ててスタート。後ろに3台しかいない位置だと再整列からブルーフラッグまでが早いんですね。多分レッド消灯から1秒くらい遅れたヘナチョコスタートだったはず。それでも1コーナーまでに前走車を1台パス。後ろの方って皆さんシグナルが見えないみたい。
3コーナー進入
その後、レインボーのドサクサで1台、バックストレートエンドのブレーキングで1台、何台かが飛び出したりで棚からぼた餅。そしてダンゴに引っ掛かってた555号車までパス。その後あっさり抜き返されますが。
集団がバラけた4周目くらいでしょうか?最終コーナーを登って行くとシグナルタワーに「556」と「D」のボードを表示するオフィシャルの姿が。
「556って俺?Dって何だっけ?PがペナルティストップだからDは…。ドライブスルーじゃん!なんかやった?」
ボードを出すオフィシャルに向かって「俺?」って手振りをすると、「あんたや!」って感じで指をさされ撃沈。
思い返してもなんもない。「フライング? いや左前の車両が動いてからスタートしたからフライングなら俺だけのハズはないな。黄旗見落とし? そういえばグラベルに飛び出して戻ってきた前走車を抜いたよな? 区間的には黄旗出たかもしれないけど状況的にはオッケーだよな?」色々考えてもなんもない。
ピットロードを60km/hで通過し再びコースへ。当然のように最後尾。前方を走行する3台の集団がかろうじて見える位置。
即座に頭のコンピュータが稼動。「スタートで後ろに3台いたんだから、前方の3台を抜かないと予選順位より下でフィニッシュだよな?」 難しい計算を瞬時に行い気合の入れ直しです。
しかし単独走行になるとウェットしか走っていないハンデが。ドライだとブレーキングポイントとギアが分かりません。
コーナーごとに徐々にブレーキを詰めたり、高いギアと低いギアを試したり。追い上げが必要な状況でこんなことやってる場合じゃないんですが。
皆さん結構飛び出します。
でも徐々に前の集団に追いつき2本のストレートエンドでパス。なんとか予選順位に戻しました。残り2周くらいはやっと分かってきたブレーキングポイントとギアで予選モード。しかし時既に遅くそのままチェッカー。
クーリングラップ中はペナルティの原因を必死に回想。でも思い当たるフシがありません。スタッフに何て謝ろう…。
車両保管場所に車を置いてパドックへ着くと、ピットクルーが誤りに来るし。何で?
ペナルティの原因は、スタート5分前の合図のあとにホイールの増し締めを行ったからだそうです。関東ルールだと3分前までオッケーですが東北ルールは5分前らしい。自分も知りませんでした。一般競技規則書の確認を怠ったチーム全員の責任でしょうね。
ベストラップはタイヤがズルズルだった最終ラップにマークした55秒台。事前にドライで練習できてたらあと少しイケたかも。(言い訳)
ところでエースドライバーの555号車は? エンジンが回らない症状が再発して15位止まりでした。しかもインテグラは決勝でクラッシュ! これ以上ないくらいトラブル続きの3日間でした。
ちなみにSUPER GTはこの方が優勝。
次戦は? 前日の予選結果を聞いた社長が「おっせーなぁ」と言ってたらしいので多分クビでしょう。(笑)
明日からロードスターの慣らし再開です。
競技規定・車両規定等に関する記述は当時の内容です。現行規定とは異なる場合がありますので注意してください。
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