この時間の起床はとにかく辛いです。経費節約のため、下道を自走で筑波サーキットへ向かいます。今日はNゼロデビュー戦。おっさんのスキルは通用するのでしょうか?
まだゲートオープン前。北側の駐車場で待機です。この待ち時間に牽引フックを取り付けます。
受理書、メンテナンスノート、車両の保証書・取説を持ってサーキットホールへ。このときに指定ECU(解説@)、車番計測装置、クレデンシャルカード、ブリーフィング資料、ゼッケン等を渡されます。車両の保証書はレース終了まで事務局にお預け。
[解説@:指定ECU]
イコールコンディションを保つために主催者から配布されるエンジンコンピュータ。スピードリミッタのみ解除されています。
割り当てられたピットへ車両を移動し、車検の準備をします。純正ECUを指定ECUへ交換、車番計測装置を取り付けてゼッケンを貼ったら、ライセンス、ヘルメット、レーシングスーツ、耐火マスク、車両申告書を持って車検場へ。まずはライセンスやスーツ・ヘルメット類のチェック。
ケツ向けててスンマセン
ここからは車両を押して検査ラインへ。灯火類の作動チェック、車両申告書と現車の照合、車重計測、下回り検査の順に進みます。
公式車両検査
車両をパドックの待機場所へ移動(解説A)したら、コントロールタワー2Fでドライバーズブリーフィング。当日のコース状況、注意事項等の説明を受けます。
[解説A:待機場所へ移動]
待機場所へ並べた順番が公式予選のコースイン順番となります。先頭でコースインしたかったら、受付・車検も先頭で受けなければなりません。今回はチョット失敗して、かなり後の順番でコースイン。
そしてあっと言う間に公式予選。ここまで時間的な余裕なんてまったくなし。こんなに慌しいタイムスケジュールは、経験したことがありません。
急いでレーシングスーツへ着替えてコースイン。ガソリンは前日に近所のスタンドで満タン。自宅から筑波までは丁度100km。予選が終わったところで2/3が残っている計算(解説B)です。
[解説B:2/3が残っている計算]
Keiはガソリン残量が半分を切ると最終コーナーでガス欠症状が出ると言う噂。練習でガソリン残量によるタイム差がないことが判明したので、前日に満タン給油という手抜き作戦。
タイムアタック
天候は晴れ、気温は体感で10℃くらいでしょうか。コース上では38台の車両がアタックを行っています。この中をかいくぐって10分間でタイムを出さなければなりません。全塗装した車両はウチのだけ。目立った色でぶざまな結果に終わったらカッコ悪いです。
1周目 1'20.652
2周目 1'20.910
3周目 1'19.068
3周目に自己ベストを更新。バックストレートでコントロールタワーの掲示板を確認すると25番が4位に。「やり〜!」
4周目 1'19.564
5周目 1'20.353
しかし予選を半分過ぎたところで掲示板から25番が消えてる...。「まずい」 ちょっと頑張ってみる。
6周目 1'19.200
「だめじゃん。」 最終コーナーをかなり頑張ってみる(解説C)。
7周目 1'18.644
掲示板の一番下に25番が復活。「よかった〜。」
8周目 1'20.115
あとはチェッカーまでに抜かれないことを祈ってピットイン。
予選は暫定6位
[解説C:かなり頑張ってみる]
「だったら最初から頑張れよ」ってツッコミは勘弁してください。Keiは最終コーナーで転倒する恐れがあるんです。
予選が終わると待機場所に車両を停めて車両保管となります。公式結果が発表されるまで車両に触れることはできません。
発表になった公式予選結果表では1'18.622で6位。トップは1'17.539。事前の予想通り17秒台に入ってしまいました。あと1秒なんてどーやってもタイムアップできる気がしません。まいった。
パドックの模様
ここでやっと1時間くらいの余裕ができます。順位に無関心だったウチのカミサンが「ニヤニヤ」してる。どうも賞金のこと(解説D)を考え始めたらしい。
ピットクルーたちも「3台抜けば表彰台じゃん。」とか勝手なこと言ってるし。前オーナーからも「この人はアウトに動くから、ここでインを奪って(云々)」 「そんな説明受けたって無理だってーの!」
[解説D:賞金のこと]
Kei Sport CUPは賞金が出るんです。
1位 ¥120,000
2位 ¥ 80,000
3位 ¥ 40,000
4位 ¥ 20,000
5位 ¥ 10,000
6位 ¥ 10,000
車両保管場所で決勝出走前の灯火類の点検を受けます。
決勝前の注意事項等の説明を受けます。今シーズンからはスタート方式が「グリーンシグナル点灯でレーススタート」ではなく、「レッドシグナル点灯後、数秒でレッドシグナルが消灯してレーススタート」へと変更になっているそうです。
いよいよコースイン。ピットクルーの誘導で6番グリッド、3列目アウト側へ車両を並べてエンジンオフ。
スターティンググリッド
綺麗なおねーさんが3分前のボードを持って現れると、グリッドからピットクルーが退避します。
これが6番グリッドから見た1コーナー
エンジンスタートです。
コース状況や車両のコンディション確認のため、ゆっくりと1周したら元のグリッドへ整列します。
全車がグリッドに整列したらオフィシャルがグリーンフラッグを振ります。そしてシグナルタワーにレッドシグナル点灯。
サイドブレーキを引いてエンジン回転を4,000回転にキープ。クラッチをミート寸前に保ってサイドブレーキを降ろすタイミングを待ちます。心臓はレッドゾーン。
レッドシグナル消灯!
緊張のあまり、いつも通りのグリーンシグナル点灯と一瞬だけ勘違い。「やばっ!?」 0.5秒くらいタイミングが遅れたでしょうか?慌ててサイドブレーキを降ろしスタート、1コーナーまでに3台に抜かれてしまいました。
またまた見事なバックスタート(解説E)です。3台抜くはずが3台に抜かれて9番手。中盤でトップ2台が飛んで7番手。「ラッキー!」
6番手の車両はコーナーが遅い。でもインを閉めてくるので飛び込む勇気が無い。バックストレートでベタヅケしてもスリップ効かないし。仕方がないんでミス待ちでアオリまくる作戦に。しかしコントロールタワーには、いつの間にか最終ラップを示すフラッグが。
最終ラップまで続いた6番手争い
(写真提供:スズキモータースポーツアソシエーション)
結局、最終ラップの最終コーナーで悪あがきをしましたが、6位とは0.173秒差でフィニッシュ。暫定表彰へ向かう1〜3位の車両と、車検場へ向かう4〜6位の車両を横目で見ながらパドックの車両保管場所へ。
[解説E:バックスタート]
スタートがヘタクソだと、周囲の車に抜かれて行く様子が、まるで「バック」しているように見えるんです。
出たことないので分かりません。(笑)
1位から6位までの車両は、車検場で再車検を行います。
レース後の車両保管
正式結果発表まで車両に触れることはできません。1〜6位までの車両は再車検となりますので、7位の車両が一番前に並びます。(涙)
情けないレースをやってしまったドライバーが、ピットクルーや応援に来てくれた人達に言い訳をする時間帯です。
【例】
「予選ではコースレコード更新してるし、初戦でシングルフィニッシュだし、7位でもポイントゲットだし(解説F)、トップとは5.089秒差だし・・・(云々)。」
[解説F:7位でもポイントゲット]
Kei Sport CUPのポイント
1位: 20P、2位: 15P、3位: 12P、4位: 10P、5位: 8P、6位: 6P、7位: 4P、8位: 3P、9位: 2P、10位: 1P
ナンバー付き車両のレースでは、正式結果が発表されて車両保管が解除されると、ゼッケン剥がし、牽引フック取外し、公道用タイヤへの交換、車番計測装置の返却を行った後に、公道走行チェックを受けなければなりません。
なんと午前中に終わってしまいました。車両も無事で自走で帰れます。あとはスタッフとの反省会です。これが祝勝会に変わる日は来るのでしょうか?
手伝っていただいた皆さん、応援していただいた皆さん、ゴメンなさい。そしてお世話になりました。
次戦は2003年4月27日ツインリンクもてぎです。
開催年度 | 2001年〜2004年 |
レース車両 | HN22S型 スズキ Kei Sport R |
レース規定 | Nゼロ(ナンバー付き) |
開催地 | 東日本シリーズ:筑波サーキット・ツインリンクもてぎ、西日本シリーズ:セントラルサーキット、 南日本シリーズ:オートポリス、北日本シリーズ:スポーツランドSUGO |
特記事項 | 2001年は筑波のみのプレシーズン。2002年から全国展開。 2004年6月、車両のリコール問題に端を発し消滅。 |
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