トー調整


自動車メーカーが公表しているトーの値は、トータルトーと言ってタイヤの前端と後端の距離の差をmmで表示しています。本来は進行方向に対するタイヤの角度を示す値だったはずですが...?

(B)より(A)が短ければプラス表示 → 前すぼみ: トーイン
(B)より(A)が長ければマイナス表示 → 前開き: トーアウト


トータルトーの考え方

まっすぐ走る車両であれば、(A)の位置にガムテープなどを貼って、マジックペンで縦のラインをマーキング。このマーキング間の距離を測ったら、マーキングを(B)の位置に来るまで車両を進行方向に押して、マーキング間の距離を測定。

仮に(B)の距離よりも(A)の距離が2mm短かったら、トータルトーは+2mmのトーインと表現します。実際には障害物があって180度の位置では測定できませんが、できる範囲での測定でも車両がトーインかトーアウトかは判断可能です。

[例] (B)=1,000mm, (A)=998mm


トーインの場合

まっすぐ走る車両であれば、上記の測定で即席セッティングも可能ですが、問題は左右のホイールの角度が違っている場合です。

下図のような場合でも、(B)の距離よりも(A)の距離が2mm短ければ、上図と同じようにトータルトーは+2mmとなってしまいます。


左右のタイヤの角度が違うと問題

そこで登場するのがアライメント・ゲージ。


(株)ストレートで売ってます。

車両の前に敷いてゆっくりと乗り越えます。


平らな場所がないと測定できません。

車検場などにあるサイドスリップテスターと原理は同じ。進行方向に対するホイールの角度が表示されます。


針が中心だとトーゼロ

フロントホイールのトーの値は、タイロッドの長さを変えて調整します。タイロッドエンドのナット(画像中央付近)を緩めたら、スパナを掛けている部分を回せば長さが変わります。


フロントトーの調整

車高を下げた場合、タイロッドが車軸より後ろにある車両はトーイン、車軸より前にある車両は逆にトーアウトになりますので、フロントホイールのトー調整が必要です。